タイヤ屋ブログ(スタッフブログ)

車高調 複筒式 単筒式 その1


みなさまいつもパーツワン大阪店のブログを

 

ご覧いただきありがとうございます。

 

 

 

 

 

前回の続きです。

 

 

 

 

 

まずは複筒式のメリットから。

 

 

「オイル室とガス室が直列配置ではないのでストローク量を確保しやすい」

 

 

これはそのまんまですね。

 

 

複筒式は物理的にロッドのストローク量が多いので、ガス圧や減衰力を低く設定することが出来ます。

 

 

なので結果的に乗り心地が柔らかく感じる事が多いですね。(やりすぎるとロッドが底付きしますが。)

 

 

 

 

 

「ベースバルブを設けることによって封入ガス圧を低くできるため、乗り心地が柔らかくなる傾向にある」

 

 

ベースバルブはロッドが縮むときに減衰力を発生させます。

 

 

ロッドが縮むとシリンダーの中に入ったロッドの体積分だけ、オイルがガス室へ流れ込みますが

 

 

この時ロッドが縮むスピードが速すぎるとオイルに負圧がかかり、オイル内に気泡が発生してしまいます。(キャビテ―ション)

 

 

それを防ぐためのブレーキの役割がベースバルブにはあるというわけです。

 

 

 

そうすうるとガスにクッション性をもたせる必要が減るので、ガスの圧力を下げる事ができ、結果的に乗り心地も柔らかくなるということです。

 

 

 

 

 

「封入ガス圧が低いため、シール緊縛力等のフリクションが抑えられる」

 

 

はい。意味不明ですよね。

 

 

でも意味が分かればなんのことはありません。 ”シール” とは目張りのことです。

 

 

ロッドであったりピストンであったり、動く部品にはガスやオイルが漏れないように目張りがしてあります。

 

 

これがピチピチかそうじゃないかというだけの違いです。

 

 

封入してあるガスの圧力が高ければ高いほど、シールも強力なものにしないと圧力に耐え切れませんから。

 

 

”フリクション” は摩擦のことなので、シールがピチピチだと可動する部分の摩擦抵抗が増え、

 

 

動きにくいショックアブソーバーになってしまいます。

 

 

複筒式だとそういう部分で有利だという意味ですね。

 

 

 

 

 

「倒立式に比べ、フリクションを抑えられる」

 

 

細かくは、また今度解説しますが ”倒立式” とは上下逆さまに配置されたショックアブソーバーのことです。

 

 

”正立式” はロッドが上下運動しますが ”倒立式” はシリンダー自体が上下します。

 

 

なのでシリンダーと外筒との間にフリクションが発生しますが、複筒式は構造上 ”倒立式” にはできないので

 

 

この心配がないというわけです。

 

 

 

 

 

「飛び石などによりシェルケースが多少へこんでも、ショックアブソーバーの機能に影響がない」

 

 

これもほぼそのままの意味ですが、単筒式だとシェルケースがへこむと、へこんだ部分がつっかえてしまい

 

 

ピストンバルブが正常に上下できなくなってしまいますが、複筒式はシェルケースとピストンバルブの間に

 

 

空間があるので、多少のへこみならピストンの上下運動には支障がないという意味です。

 

 

 

 

 

「製造時の加工性に優れ、製品コストを抑えることができる」

 

 

これ、パッと見複筒式の方が複雑な構造に見えるので複筒式の方がコストが高いんじゃないの?

 

 

と思われるかもしれません。

 

 

がしかし、複筒式はガス室とオイル室の間に明確な仕切りがありません。

 

 

それに加えて封入ガス圧も単筒式と比べると低めです。

 

 

その点単筒式は高圧ガスとオイルの両方を仕切った上で封入する必要があるので

 

 

量産には向きません。だから複筒式は安くて単筒式は高いんですね~。

 

 

 

 

 

続いて複筒式のデメリットの解説。

 

 

「構造上、単筒式ほどオイル容量をかせぐことが困難」

 

 

複筒式はメインのシリンダーの中にもう一つシリンダーがあって、ベースバルブもあって、

 

 

ものによっては底付き防止のためのスプリングもピストンバルブについてたりして、、、と

 

 

オイルとガス以外のものがいろいろ入っているので、オイルの容量が少なめです。

 

 

 

 

 

「構造上、単筒式ほどピストンバルブサイズが大きくできない」

 

 

これはそのままですね。

 

 

単筒式はメインのシリンダーの径と同じ大きさのピストンバルブを使用できますが

 

 

複筒式は内側のサブシリンダーの径と同じ大きさにしかできません。

 

 

ピストンバルブは大きいほど減衰力の細かい調整が出来るのでその点では不利になります。

 

 

 

 

 

「構造上、ショックアブソーバーの車体への取付角度に制限がある」

 

 

複筒式はオイル室とガス室に仕切りがないため、ショックアブソーバーを逆さまにすると

 

 

ガスとオイルが反転します。そうするといわずもがな、ショックアブソーバーとしての機能を果たせなくなります。

 

 

そのため、倒立式を採用したり、フォーミュラカーの様に水平に取り付けるなどのことができず

 

 

取付角度の自由度が少ないのです。

 

 

 

 

 

「オイル室とガス室に区切りが無いため、エアレーションを起こすことがある」

 

 

エアレーションとは一時的にオイル内に気体であるガスが混入してしまうこと。

 

 

キャビテ―ションと同様、エアレーションを起こすと適正な減衰力を発揮できなくなったり、異音が発生したりします。

 

 

しかし、一時的なものなので自然に分離します。

 

 

 

 

 

次回は単筒式について解説していきます!